この記事では、マウスピース矯正の特徴と治療可能な歯並び(出っ歯など)についてまとめていきます。
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マウスピース矯正とワイヤー矯正
現代における歯列矯正といえば、ワイヤーを用いた方法とマウスピースを用いた方法の2通りが主流です。
一昔前までは金属のワイヤーを使用して、痛みに耐えながら治療する方法しかありませんでした。
しかし、この10年ほどで3Dプリンターや口腔内スキャナーの技術が進化して、マウスピースを使用した矯正治療という選択肢が増えました。
では、ワイヤー矯正とマウスピース矯正とはどのような特徴を持つのでしょうか。
以下の表に2つの方法をまとめました。
矯正の種類 | マウスピース矯正(全顎) | マウスピース矯正(前歯) | ワイヤー矯正 |
---|---|---|---|
費用 | 約40~120万円 | 約10万円~ | 約50~80万円 |
見た目 | 目立ちにくい | 器具が目立つ | |
痛み | 少ない | 痛みがあり、口内炎もできやすい | |
対応範囲 | 軽度~中度の歯並び矯正に対応可能 | 基本的にどのような歯並びでも対応可能 | |
通院回数 | 2ヶ月に1回 | 2~4週に一回 | |
治療期間 | 2~4年間(状態によっては数ヶ月) | 2.5~4年間 |
2つの方法では、各項目でかなり違いがみられますね。
そのような特徴のうち、費用、見た目、痛みなどに絞って解説していきます。
(1)費用
マウスピース矯正では10~120万円と幅広い価格帯が展開されています。
10万円~と安いブランドもある理由としては、前歯だけの治療や、前歯を中心とした歯並びの改善など部分的な治療もできるからです。
とはいえ、マウスピースはブランドによってかなり価格差があるため、マウスピース矯正を検討する場合はいろいろなブランドを調べて比べるようにしましょう。
対するワイヤー矯正は、相場が50~80万円となっております。
全顎の矯正治療であれば、マウスピース矯正よりもワイヤー矯正の方が安く済むことが多いことは、歯列矯正治療の特徴です。
(2)見た目
まず従来のワイヤー矯正では、銀色のブラケットとワイヤーを装着するため、器具が見えてしまい、見た目を気にされる方には辛い治療となります。
肌色や透明のブラケットを選択することもできますが、それでも口を開けると多少は見えてしまいます。
反対に、マウスピースは透明で薄いため装着していてもほとんど目立つことはありません。
見た目に関しては、マウスピース矯正の方にメリットがあるといえます。
(3)痛み
矯正治療では歯を動かすため、ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも当然痛みが発生してしまいます。
ワイヤー治療の場合、常に口の中に器具が入っているため擦れて口内炎になり、歯が動く痛み以外にも悩まされます。
マウスピース矯正ではその点が改善されており、滑らかなマウスピースなので口内にも優しく、口内炎の発生も抑えてくれます。
マウスピース矯正で出っ歯も改善可能?
それでは本題である、マウスピース矯正で治療可能な歯並びについてまとめていきます。
結果から言いますと、マウスピース矯正では軽度~中度の歯並び矯正にしか対応しておらず、歯並びによっては治療不可となる場合があります。
※詳しくは、マウスピース矯正治療に対応している歯科医院で相談してみるようにしましょう。
マウスピース矯正といってもさまざまなブランドがあるため、この記事ではメジャーであるインビザラインのマウスピース矯正でできることについてまとめます。
まず、インビザラインで治療できる可能性がある歯並びは以下のとおりです。
- 出っ歯
- すきっ歯
- 受け口(下の歯が出ている)
- デコボコ
- 開咬、過蓋咬合、交叉咬合(かみ合わせが悪い)
本記事のタイトルにもある「出っ歯」は、治療できる可能性があるようですね。
ただし、マウスピース矯正では重度の歯並びを矯正することはできません。
あくまでも上記のような出っ歯やすきっ歯であり、なおかつ軽めの歯列矯正で済む患者のみ対応していることは注意しましょう。
また、ワイヤー矯正では、便宜抜歯という歯を動かすスペースを作るために歯を抜くことがあります。
主に、顎が小さく全ての歯が収まりきれない患者に施される方法です。
この方法では、抜歯後の歯の移動距離が長くなる傾向にあるため、ワイヤー矯正治療で歯に力をかけ続ける必要があります。
対してマウスピース矯正では、抜歯をして歯並びを整えるというプランは基本的にありません。
したがって抜歯しなくても矯正可能な状態であることも、マウスピースで矯正する条件になるようですね。
その他、顎の骨格に問題がある場合も、マウスピース矯正が難しくなります。
具体的には顎の骨が変形している患者、過度に成長してしまっている患者などが該当するようです。
また、インプラント治療をされている方、重度の歯周病にかかっている方もマウスピース矯正には不適用とされています。
いろいろと注意する点がありますので、単純に出っ歯だから、すきっ歯だから治療できるとはならないようですね。
まとめ
この記事では、マウスピース矯正と対応可能な患者について記載しました。
最後に内容をまとめます。
- ワイヤー矯正と比べてマウスピース矯正はメリットが大きいが、治療可能な患者は軽度~中度の歯並び矯正に限る
- 出っ歯、すきっ歯、受け口(下の歯が出ている)、デコボコ、開咬、過蓋咬合、交叉咬合の歯並びはマウスピース矯正で治療できる可能性がある
マウスピース矯正を検討中の方の参考になれば幸いです。
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