ちまたでセルフホワイトニングという名前をよく聞くようになりました。
最近ではニュースメディアやSNS広告でよく見かけ、定期購入などをうながす商品も多く見かけます。
試してみたいと思っても、
「どのくらいの効果があるのだろうか?」
「どのような原理や理由で白くなるのだろうか?」
「実際に使ってみた人の声は?」
「歯科医院のホワイトニングとの違いは?」
「どのくらいの費用がかかるのか?」
「どんな種類があるのか?」
など様々な悩みがあると思います。
この記事ではセルフホワイトニングにおける効果を解説していますので、最後までお付き合いください。
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セルフホワイトニングとは
歯科分野でのホワイトニングは、その名の通り歯の着色を落として白くすることを指します。
ホワイトニングは大きく分けて、自分で行うセルフホワイトニングと歯科医院で行われるオフィスホワイトニング(後半で説明します)の2種類があります。
これらのホワイトニングはどのような特徴を持つのでしょうか。
本記事では、セルフホワイトニングの種類、効果、価格、リスクの説明、およびオフィスホワイトニングとの比較について記載しております。
(1)セルフホワイトニングの概要
1990年代までは、ホワイトニングといえば歯科医院で施術されるものでした。
しかし、2000年代に入ってからはセルフホワイトニングといわれる自宅で行うことのできるホワイトニング、および専用サロンで行うホワイトニングの認知度が高まってきました。
気軽に、そして比較的安い価格で行うことができるセルフホワイトニングの市場は年々増加しており、自宅用のホワイトニング用品の種類、およびホワイトニングを取り扱うサロン数も拡大しています。
通常、他者へホワイトニング施術を行うことができるのは、歯科医師、および歯科衛生士だけです。
そのため、セルフホワイトニングでは自宅はもちろん、サロンで行う時も自らの手でホワイトニング用の薬剤を塗ったり、光を当てたりすることになります。
この点も、セルフホワイトニングの特徴であるといえます。
(2)セルフホワイトニングとオフィスホワイトニングの比較
気軽に、比較的安く始めることのできるセルフホワイトニングは、一見メリットづくしのように感じますが、セルフだからこそのデメリットやリスクもあります。
ご自身に合ったホワイトニングを行うためにも、しっかりと特徴を把握した上で選択することが重要です。
セルフホワイトニング、および歯科医院で行うオフィスホワイトニングの特徴をカンタンにまとめると、以下のようになります。
セルフホワイトニング(自宅)→費用:数百~数千円、効果:△、痛み:小
セルフホワイトニング(サロン)→費用:数千~数万円、効果:△~○、痛み:小~中
オフィスホワイトニング→費用:数万円、効果:◎、痛み:大
このようにそれぞれのホワイトニングにはメリット、デメリットがあることを知っておくことが重要です。
セルフホワイトニングの種類
歯科分野のホワイトニングについて概要を説明してきましたが、イメージはできましたでしょうか。
それではここからは、セルフホワイトニングについて詳しく説明していきます。
(1)サロンでのホワイトニング
セルフホワイトニングと聞くと、自宅で自ら行うもの、とイメージされる方も多いかと思います。
しかし実際は自宅だけでなく、ホワイトニング関連の機器が揃った民間の美容サロンでもホワイトニングすることが可能です。
ただし、サロンは歯科医院のような医療機関ではないため医薬品と医療機器を扱うことができず、歯科医院ほどのホワイトニング効果が期待できないことは注意が必要です。
また、サロンではホワイトニングを通じてお客さんの口に触れる行為は一切行えないため、サロンにある薬剤や設備を自分で使用してホワイトニングを行います。
①価格
サロンでのホワイトニングは、1回あたり約5,000~8,000円ほどが相場であり、通う回数は目標とする白さやプランによって異なります。
クーポンやキャンペーンなど利用可能なサロンも数多くあるため、相場よりも価格を抑えることは可能です。
一般的に歯科医院でのホワイトニングは数万円であり、歯科医院によって価格に大きな開きがあるため、サロンで行う方がリーズナブルといえるでしょう。
また、ほとんどの歯科医院は日・祝日や定休日がありますが、サロンでは土・日・祝日も営業している場合が多く、曜日を選ばない通いやすさも魅力の一つです。
②痛みと効果
サロンで行うホワイトニングは歯科医院で行う場合と比較して、痛みがかなり少ないことが挙げられます。
サロンでは、歯の表面の汚れを落として、本来自分がもつ歯の色を取り戻すことを目指しています。
それに比べて歯科医院では、歯の表面だけでなく、歯の内部も含んだ歯そのものをより白くする目的でホワイトニングが行われます。
そのため、歯そのものをより白くする歯科医院の方が、歯への刺激が強い薬剤を使用するため、痛みも強く出てしまうということがいえます。
また、ホワイトニングの効果については歯の色見本をベースにして15~16段階で示され、どのくらい白くなったか=トーンが上がったか、によって判断されます。
サロンでのホワイトニングは、1回あたり2~4段階程度のトーンアップをうたっている店舗を多く見受けられます。
それに対して、歯科医院では平均5段階のトーンアップといわれているため、1回あたりの効果は歯科医院の方が高いと考えられます。
トーンアップできる最大値=歯の漂白の上限値についても、歯表面の汚れを落とすサロンより、歯そのものを漂白する歯科医院の方が上限は高くなります。
まとめると痛みもホワイトニング効果も、サロン<歯科医院、であるといえます。
③ホワイトニングの手順
サロンでのホワイトニングの特徴を説明してきましたが、実際にサロンで行うホワイトニングはどのような手順で進むのでしょうか。
サロンによって多少の差はあるものの、だいたい以下のような手順で歯を漂白します。
カウンセリング・トーンチェック → クリーニング・歯磨き → 薬剤塗布 → LED照射 → 仕上げ歯磨き
冒頭でも説明しましたが、サロンには歯科医師や歯科衛生士のような有資格者がいないため、ホワイトニングを通じてお客さんの口に触れる行為、施術は一切行うことができません。
そのため、2つ目の工程であるクリーニング・歯磨き以降は、最後の仕上げ歯磨きまで全て自分自身の手で行います。
(2)自宅でのホワイトニング
サロンでのセルフホワイトニングについて、理解は深まりましたでしょうか。
セルフホワイトニングは、専用サロンだけでなく、自宅で行うこともできます。
自宅でできる代表的なホワイトニング方法を紹介します。
①マウスピース+薬剤(歯科医院処方)
まず、自宅でできるホワイトニングの中では効果の高い方法を紹介します。
歯科医院でホワイトニング用マウスピースを作成してもらい、自宅でホワイトニング用の薬剤を塗布し、歯にはめるホワイトニング方法です。
毎日、長時間(1時間~一晩中)マウスピースをつける必要があり、個人差はありますが1~2週間ほどで効果が現れ始めると言われています。
歯科医院でのホワイトニングほどではありませんが、多少の痛みが伴うことも留意すべき点です。
漂白効果の即効性という観点では期待はできませんが、繰り返し継続的に使うことにとなるため、白さの持続期間は長いといわれています。
時間に余裕のある人、自分自身で継続的に処置ができる人に向いているホワイトニングです。
もちろん保険の適用外となるため、必要な費用はセルフホワイトニングの割には高いことも特徴といえます。
一般的にマウスピースの製作で約2~4万円、薬剤1週間分で5,000~10,000円ほどかかります。
歯科医師や歯科衛生士の指導のもと進められるため、安心して行うことができる方法ではありますが、その効果や費用も考慮に入れる必要はあるでしょう。
②歯磨き粉
続いては、市販で購入可能なホワイトニング歯磨き粉を紹介します。
そもそも、市販の歯磨き粉を使うだけで歯が白くなるの?っと疑問に思われる方もいるかと思います。
結果からお伝えしますと、歯科医院やサロンでのホワイトニングほどの効果は期待できません。
ホワイトニング歯磨き粉には、歯の表面の汚れ付着を予防するポリリン酸やヒドロキシアパタイト、表面を削る効果が低い低研磨性粒子を使用したものが挙げられます。
いずれにしても、歯を白くするのではなく、歯の表面のケア、ホワイトニング効果の持続を目的としています。
歯科医院やサロンでホワイトニングを行い、かつホワイトニング歯磨き粉を使ってサポートをすれば、より良いホワイトニングを実現できるかと思います。
③シート
自宅でできるホワイトニングには、シートを購入する方法もあります。
ホワイトニングテープとも言われており、歯の漂白効果がある薬剤が含まれているため、歯に貼って一定時間後に剥がすことで歯を白くします。
ホワイトニングシートは全て海外で作られている商品のため、入手するにはインターネットなどで購入する必要があります。
価格の相場は、2~3週間分で数千円ほどと言われています。
そもそも、なぜ日本国内の店で売られていないかというと、日本の法律ではある一定の濃度以上のホワイトニング薬剤(過酸化水素)は販売できないことが理由となります。
一見、手軽に自宅で使え、それなりのホワイトニング効果があるお得な方法に感じますが、リスクもあります。
まず、自分で貼るため貼り方によっては部分的な漂白効果が出てしまい、歯がまだらな色になってしまう恐れがあります。
また、歯並びが悪い場合はきれいに貼ることが難しいといわれています。
痛みが出たり知覚過敏になることもあるため、使用方法には十分注意する必要があるといえます。
3.オフィスホワイトニングとは
自宅やサロンで行うセルフホワイトニングを中心に説明してきましたが、イメージはできましたでしょうか。
ここで、比較対象として挙げてきました、歯科医院で行われるホワイトニングについても少し詳しく説明したいと思います。
(1)価格
ホワイトニング全般は、自由診療のため保険の適用外となります。
歯科医院によって様々なプランがあり、料金はホワイトニングする歯の本数や施術内容によって左右されますが、相場では一回あたり10,000円~50,000円ほど、高い場合は100,000円ほどかかります。
サロンや自宅で行うセルフホワイトニングよりも高額であるといえます。
数回施術のお得なセット価格を展開している歯科医院もありますので、ホワイトニングを検討されている場合は、お近くの歯科医院を調べてみてはいかがでしょうか。
(2)痛みと効果
歯科医院で施術されるホワイトニングは、サロンや自宅で行う場合と比べて、治療中、および治療後に痛みを感じやすいといわれています。
その理由として、薬剤(過酸化水素)の濃度が高いこと、治療時に熱が発生することなどが挙げられます。
※痛みのメカニズムについては、4.ホワイトニングの原理について、で詳しく説明します。
特に、知覚過敏を持つ患者は痛みを感じやすいため、ホワイトニングを行う前にまずは知覚過敏を治療して、時間をかけた痛み対策を取るケースもあるようです。
痛みとは反対にホワイトニング効果については、歯科医院では高い漂白効果が期待できます。
歯科医院では、歯の表面だけでなく、歯の内部も含んだ歯そのものをより白くする方法を取るためです。
一般的に、サロンでのホワイトニングは1回あたり2~4段階程度、それに対して歯科医院では平均5段階のトーンアップが可能といわれています。
(3)手順
歯科医院の施術はどのように進められるのか、知っておくだけで心の準備もできるかと思います。
歯科医院でのホワイトニング手順は、以下のようになります。
カウンセリング → トーン確認 → 歯茎保護 → 薬剤塗布 → ライト照射 → 薬剤除去 → トーン確認
歯科医院では、カウンセリングから最後のトーン確認に至るまで、すべての工程は歯科医師や歯科衛生士などの有資格者によって行われます。
自分自身で薬剤を塗布したり光を当てたりする必要はなく、また、不安に感じることはその場で聞くことができるため、高い安心感のもとホワイトニングが受けられることも魅了といえます。
ホワイトニング後は歯の表面を覆っている被膜が剥がれているため、非常に着色しやすい状態といえます。
そのため24時間以内の喫煙、およびコーヒーやカレーなど色の濃い飲食物を控えるよう注意が必要です。
また24時間後以降も、着色しやすい食事を取りがちな方は色戻りする可能性が高く、ホワイトニング効果を持続させるためにも食生活の見直しは必要であると考えられます。
ホワイトニングの原理について
セルフホワイトニング(自宅、サロン)とオフィスホワイトニング(歯科医院)の違いは理解できましたでしょうか。
ホワイトニングの特徴を色々と説明してきましたが、そもそも歯が白くなる原理はどのようなものなのか、補足でカンタンに説明していきます。
まず、ホワイトニングを語る上では、歯の構造を理解することが欠かせません。
歯の構造は、歯茎から出ている普段見えている部分と、歯茎に埋まっていて見えていない部分で少し異なります。
今回のホワイトニングの説明には、歯茎に埋まっている部分は関係ないため省略します。
普段見えている部分の歯は、外側からエナメル質、象牙質、歯髄(神経含め)という構成物からなります。
エナメル質:一番外側にあり、ほぼ透明で光を通す。体で最も硬い部位。
象牙質:エナメル質の内側にあり薄黄色。構成される成分は体中の骨と似ている。
歯科医院でのホワイトニングでは、過酸化水素という強い酸化力、漂白作用のある薬剤が使用されます。
この過酸化水素はオキシドールとも呼ばれ、エナメル質の表面に付いたステインなどの汚れ、および象牙質が持つ薄黄色素の両方を化学反応により分解する効果があります。
つまり、歯そのものを白くする効果があると言えるのです。
ただし、過酸化水素が象牙質に浸透することで神経までも刺激してしまい、痛みとなって現れてしまいます。
もし歯科医院で痛みの少ないホワイトニングを希望されるのであれば、ポリリン酸を用いた施術が代表的となっております。
近年取り扱う歯科医院も増えてきておりますので、探されてみることをオススメします。
対してセルフホワイトニングでは、サロンやマウスピースを用いる方法で過酸化尿素やかなり低濃度の過酸化水素が使用されます。
これらの薬剤は、一番外側に構成されるエナメル質の表面汚れを落とすことしかできません。
エナメル質の内部にある象牙質の薄黄色を分解するまでの漂白効果はないため、歯科医院でのホワイトニングよりも効果が低くなってしまうのです。
まとめ
セルフホワイトニングの特徴、オフィスホワイトニングとの違いは分かりましたでしょうか。
ホワイトニングを検討される際は、目指す歯の白さ、費用、施術での痛み、通院頻度、リスクなどを考慮して、より自分自身に合った方法を試されるとよいかと思います。
また、ホワイトニングを行う前には一度歯科医院で健診を受け、知覚過敏や歯周病などの治療が必要ではないか、歯科医師へ相談してみることが満足のいくホワイトニングに繋がると考えます。
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